2011年12月10日土曜日

あらゆる生命へのまなざし~江戸の本草学~

おはようございます。忘年会シーズンですが、みなさん、体調はいかがですか。

昨夜は、田中優子先生の『カムイ伝講義』から本草学の一節を読ませていただきました。
12月16日(金)もう来週の金曜日になりました。今年のキャンドルナイトのゲストです。素敵な方です。またお会いできるのが本当に楽しみです。

キャンドルナイトは自由に参加していただき、お一人おひとりが考え、感じていただくプラットホームのようなイベントです。そこが、キャンドルナイトの魅力でもあるわけです。田中先生とファン・デグォンさんそして、辻先生どんなトークセッションになるのでしょう。わくわくしますね。

ファン・デグォンさんの思いと田中優子先生の思いをつなぐ一つの架け橋が、今回のテーマでもある「3・11後のライフ&ピース」生命平和という、視点ではないかと思っています。特に、私が注目したいのは、江戸時代に発達する「本草学」との接点です。

本草学とは
「「本草」とは、薬材となるものに草が多いことから、草を本とするという意味で、古代中国で命名された。とは言っても、何もそれは「草」に限った話ではない。本草学に携わりその記録を残した人々は、薬になりそうな、ありとあらゆる自然界の動植物にその研究のまなざしを注いできた。」

「この宇宙に存在する万物には、すべて何らかの働きが備わっている。-それが本草学の中核をなす世界観でもあった。」(『カムイ伝講義』小学館 刊 292頁~294頁)

ファン・デグォンさんは、独房の中で、自分自身の身体という大自然に気づかれ、もともと学ばれていた農学のご縁から、野草の生命の多様性に気付かれていきます。そこには、人間中心ではない生命の尊厳を学ぶまなざしが育まれていきます。そして、自分自身の身体を粗末にしない、健康を考えていくとき、自然の流れの中に、自分自身をおいていくことの大切さに気付かれていきます。

江戸時代の本草学は、中国の漢方を積極的に取り入れ、そこから、名物学・物産学そして博物学へと様々な学びを展開させていったそうです。単なる「人間に都合がよい」という人間中心の思考では、有用なもの以外は「雑草」という感覚しか育てられてきませんが、生命に対する根源的なまなざしとして、自分自身の体と自然をつないでいく感覚が、生命の平和、多様な命との共存の文化を作り上げてきたのではないでしょうか。

「江戸時代の人々の病を治し、健康状態を保つために、このようなさまざまな方法が存在し、継承されてきた。それらを見渡してわかることは、まず人と自然を結びつけ治すことによって、心身のバランスを取り戻す方法が蓄積されていたことである。」(前掲書 293頁)

つながりを取り戻す・・・・。というキーワードは、私たちの生活において重要な意味を持っていると思います。ファン・デグォンさんと田中優子先生のコラボレーションで、懐かしい未来としての素晴らしい学びが繰り広げられていくと思います。そのお二人を紡ぐ辻先生のご縁に感謝しています。

2011キャンドルナイト 詳細 http://zenryouji.blogspot.com/2011/12/blog-post_05.html

さて、昨日の聞思堂です。実は、靴箱の中に・・・。


まだ棚はついてませんよ。



隠れスペースを作りました。ブーツなどの収納ができるかな~と思っています。でも、ブログにあげたら全然隠れスペースじゃないですよね。

聞思堂も徐々にその具体的な姿を現してくれています。完成が楽しみです。みなさん、是非遊びに来てください。

合掌