6月6日浅井先生の御命日に、日産リーフが納車されました。聞思堂では、太陽光発電で充電し、リーフにためた電力を「リーフtoホーム」のシステムを採用し、聞思堂の電力として再利用していきます。
聞思堂にはたくさんの叡智が結集されています。大岩先生が、非電化工房の藤村靖之先生に聞思堂のエネルギーの在り方を相談されたことがありました。そこで、私も含めて聞思堂のエネルギーの在り方の基本コンセプトとして、「東京電力からの独立を目指す。」という方向が生まれました。
そこには、基本的な姿勢として、非電化の考え方があります。すべてを電力に頼らない。それは、電気があることが当たり前に生活していた、自分自身のライフスタイルを問うことでした。今、自分自身の生活を問うことなく、今の自分を変えないで、エネルギーの供給の安定を考えることは、結局、大量消費・大量廃棄の生活を問うことにはなりません。今の生活を守ることではなく、今の生活を問い続けていく視点が重要なのだと思います。東京電力もまた、私自身であるです。
現代社会における寺院建築の意味とは何か・・・。私は、その場で、自分自身が問われ、学びを深めていく場所であることだと思います。それが、道場という場の大切な意義でした。浄土真宗のお寺はこの道場という考え方を大事にしてきた場所なのです。その心が、浄土をあらわす内陣よりも、お参りされるかたの空間としての外陣が広いという建築の特色に生きています。
オール電化のラインによって、電気自動車を考えればそれは、原発推進の路線から外れることはありません。しかし、非電化の考え方によって、エネルギーの多様性と持続可能性を、自らのライフスタイルを問う中に位置づけていけばいろいろな可能性が出てくると思うのです。
聞思堂の建築を一緒に支えてくださった、天然住宅の相根昭典さんとご一緒に、天然住宅の共同代表を務められている田中優さんのメルマガを転載したいと思います。
聞思堂にはたくさんの叡智が結集されています。大岩先生が、非電化工房の藤村靖之先生に聞思堂のエネルギーの在り方を相談されたことがありました。そこで、私も含めて聞思堂のエネルギーの在り方の基本コンセプトとして、「東京電力からの独立を目指す。」という方向が生まれました。
そこには、基本的な姿勢として、非電化の考え方があります。すべてを電力に頼らない。それは、電気があることが当たり前に生活していた、自分自身のライフスタイルを問うことでした。今、自分自身の生活を問うことなく、今の自分を変えないで、エネルギーの供給の安定を考えることは、結局、大量消費・大量廃棄の生活を問うことにはなりません。今の生活を守ることではなく、今の生活を問い続けていく視点が重要なのだと思います。東京電力もまた、私自身であるです。
現代社会における寺院建築の意味とは何か・・・。私は、その場で、自分自身が問われ、学びを深めていく場所であることだと思います。それが、道場という場の大切な意義でした。浄土真宗のお寺はこの道場という考え方を大事にしてきた場所なのです。その心が、浄土をあらわす内陣よりも、お参りされるかたの空間としての外陣が広いという建築の特色に生きています。
オール電化のラインによって、電気自動車を考えればそれは、原発推進の路線から外れることはありません。しかし、非電化の考え方によって、エネルギーの多様性と持続可能性を、自らのライフスタイルを問う中に位置づけていけばいろいろな可能性が出てくると思うのです。
聞思堂の建築を一緒に支えてくださった、天然住宅の相根昭典さんとご一緒に、天然住宅の共同代表を務められている田中優さんのメルマガを転載したいと思います。
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田中優の“持続する志”
優さんメルマガ 第129号
2012.5.24発行
※このメルマガは転送転載、大歓迎です。
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◇■ 田中優より ■◇
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「私たちに必要なのは、明るさ、温もり、便利さ、そして希望だ」
私たちが往々にして間違うのは「電気が必要だ」という勘違いだ。私たちは 直接電気を必要としない。必要なのは、「明るさ、温もり、便利さ」なのだ。 そう考えると別な解決策のあることに気づく。 明るさならわずかの電気で点くLEDランプがあり、その発電はわずかな 太陽光で足りる。温もりなら電気でなくていい。断熱して薪やペレットの暖房 を使うなら、ほとんど全く電気は要らない。
便利さなら、省エネ製品を使えば従来の半分程度の電気で足りる。
もし安全性なら原子力を使うより、自然エネルギーの方が安全だ。
エネルギーセキュリティーでも国内で自然エネルギーを伸ばした方が、輸入資源に頼る
よりずっといい。
そもそも電気エネルギーは高級なエネルギーだ。
熱として使うなら、わざわざ熱の3割を電気に変えてから熱に戻すような無駄
はしない方がいい。電気は電気でなければ使えない、照明や動力にだけ使うべきだ。 それらも日本の省エネ製品が、世界一の省エネを実現しているのだから、そちら を使った方がいい。するとごくわずかの電気があれば足りることになる。 デンマークではいったん「オール電化」の方向に進んだものの、効率が悪い ことに気づいて方針を戻している。日本では、一度進めた方向を変更できない国 であることが最大の問題だ。 合理的に考えればどちらがトクになるかわかるはずだ。 日産のリーフという電気自動車のホームページには、家庭にリーフのバッテリー をつないで、自宅で作った太陽光発電の電気で自給する仕組みを載せている。 そうなる未来は目の前まで来ている。省エネ製品に変えた後の電力消費は今の 半分程度になる。それを賄う太陽光発電の広さは、八畳間ひとつ分程度だ。
しかも高かった太陽光発電も価格が急低下し、今や電力会社からの電気より 安く供給できるものも実現している(日経ビジネス「太陽光発電1kwh当たり19円 の衝撃」電力会社の24円/kwhより安い)。これによってDMMは条件が合えば、 8万円先に払えば11年間の発電量の8割を譲れば、その後は自分のものになる 仕組みも実現している。 事業所で2割を占める照明も、ヤマダ電機は省エネ照明器具のレンタルで、 初期投資不要で損金処理できる仕組みを実現している。その先に来るのが高い 電力会社から独立して、電気を自給していく未来だ。 そのとき条件が有利になるのが地方だ。地域に森林資源があり、光があり、 水も風もふんだんにある地域こそが豊かな場になる。雇用者数も、ドイツでは 自然エネルギー利用で12倍増え、オーストリアでは木材バイオマス利用で15倍 増やした実績がある。これまでの中央集権でなければできないと考えてきた ことが誤りだった。 地域でエネルギー自給していく仕組みとして、世界では「スマートグリッド (賢い送電線網)」が進められている。それに必要な自然エネルギー、省エネ 製品、電気自動車、高性能バッテリー、IT技術ともに、日本が最先端だ。 オバマ大統領は「日本製品ばかりじゃないか!」と怒り出したほどだ。 そのスマートグリッドに、世界で最大投資額が注がれている。日本はそちらに 進むべきではないか。 私たちが必要としているのは電気ではない。
「明るさ、温もり、便利さ」に加えて将来の希望や安定した暮らしを望むなら、 私たちの進むべき方向は原子力ではない。 今ここから新たな希望に向かって、新たな歩みを始める時期に差しかかって いるのだと思う。 ---------------
忘れてはならないのは、リーフが誕生するまでにどれほどのエネルギーが消費されているということです。自分自身のライフスタイルを問う中で、思いをめぐらせていかなくてはならないと思います。常に問い続けて、歩み続けていくことの大切さを見失ってはならないと思います。電気自動車を生み出すために原発がいるじゃないかということになれば、存在の意味は半減してしまいます。製造段階から、エネルギーを考えていける社会、それは、私の生活を問い続けていくことから始まっていくのです。
今回、ご縁をいただいて、太陽光発電と電気自動車のコラボを実現することができました。しかし、これは、聞思堂の持つ一面にすぎません。多くの叡智を紡ぐ、その中心にみ仏の慈悲が息づいているのです。是非、聞思堂に来ていただき、皆さんとご一緒に考えていきたいと思います。